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SUNDAY LIBRARY

小林 聡美・評『フィンランド語は猫の言葉』『選ばれる女におなりなさい』

◆『フィンランド語は猫の言葉』稲垣美晴・著(角川文庫/税別680円)

◆『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ/著(講談社/税別1250円)

 私は45歳で大学生になった。45歳は十分熟年だが、今振り返るとまだまだ元気なお年頃だった。授業はどれも面白かった。試験やレポートがなければいくらでも受けたかった。ただひとつ意味がまったくわからなかったのが、情報処理の授業。パソコンでさまざまな表をつくったり、データを入力してグラフにしたり。パワーポイントでスライドを作ってプレゼンテーションする授業もかなり辛(つら)かった。「これらのスキルがこの先の私の人生でなにかの役に立つのか」と、授業のたびに、中学のマラソン大会の時と同じ苦しみが胸を締め付けた。だが脳みそは少々固くなっていたとはいえ、私は日本の大学で日本語で授業を受け、終われば可愛い猫の待つわが家へ帰ることができた。『フィンランド語は猫の言葉』の著者、稲垣美晴さんがフィンランドで体験した大学生活に比べたら、屁(へ)の河童(かっぱ)だ。

 文庫本として最近出版されたこの本の初版は1981年。フィンランドの美術史に興味のあった稲垣さんは、卒論を書くためにヘルシンキに留学。一旦帰国するもフィンランドの魅力に憑(つ)かれ、日本の大学を卒業後、再びヘルシンキ大学へ。本書はその留学生活、特にフィンランド語の勉強に奮闘する姿がユーモアを交えて生き生きと綴(つづ)られている。

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