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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『酔っぱらいに贈る言葉』大竹聡・著

◆『酔っぱらいに贈る言葉』大竹聡・著(ちくま文庫/税別680円)

  『酒とつまみ』元編集長の大竹聡さんが集めた、お酒にまつわる名言から成る一冊だ。「飲まれるのが習わしの私のような大酔っ払い」と自称するほどの大竹さんだから、集めたというよりも、知らず知らずのうち集まってしまったのかもしれない。

 実は、私も酔い名言を蒐集(しゅうしゅう)している。お酒の登場する小説を繙(ひもと)くコラムを、とある文芸誌に連載しはじめてからは、より本腰を入れて集めている。ぐっとくるのは、露悪的でなく、けれどうまいうまいと讃(たた)えるばかりでもない、ちょうどいい塩梅のもの。この本の中だと、井伏鱒二の言葉がしっくりくる。

 大衆酒場では、コップの下に小皿や升を置いて、その中まで満ちるようにお酒を注(つ)いでくれることがある。「もっきり」とか、あるいは単純に「注ぎこぼし」と呼ばれ、下品だと蔑(さげす)む人もいるそのスタイルについて、井伏鱒二はこう書く。「このような店で酒飲みがこの作法を無視することは、お酌してくれる相手方のみすぼらしい心意気を鼻で笑うも同然である」、そう断言され、私の胸中によみがえるのは、京都で書店を…

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