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余録

昔の人は自然石を神仏に見立てて拝んだりした…

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 昔の人は自然石を神仏に見立てて拝んだりした。鹿児島県の高隈山地のふもとの猿ケ城渓谷にあった白い石は朱塗観音(しゅぬりかんのん)と呼ばれたという。近くの村にはこの石が赤くなると洪水になるという言い伝えがあった▲ある時、いたずら者がひそかにこの石に朱を塗ったところ村人は恐れおののき、みんな着の身着のまま山へ逃げた。いたずら者は一人残って大笑いしたが、ほどなく大雨となり、村はその男ともども鉄砲水で流されてしまったという▲鹿児島大理学部旧地学科の保存ウェブによると渓谷の白い石は花こう岩で、源流で雨が降ると濁った水が石を赤くしたのだろうという。先の伝説は鉄砲水の危険からの避難を勧めた話ととれるが、今はどの石が朱塗観音か分からない▲梅雨前線の停滞する九州南部では先週からの総雨量がすでに800ミリを超えた地域もある。土中の水分量が増えて土砂災害の危険が切迫しているところに、きょうからあすにかけて一段と前線が活発化する見通しというから恐ろしい▲気象庁はきのうの緊急記者会見で「自らの命を自ら守らねばならぬ状況が迫っているのを認識してほしい」と訴えた。観音様ならば顔を真っ赤にする局面だろう。伝説の村の老若男女はとるものもとりあえず避難をして命びろいした▲きょうからの前線の活発化で、総雨量が昨年の西日本豪雨を超えるところも出てくるという。避難指示を出す側も、受け取る側も、1年前の教訓を今一度しっかり点検しておきたい暴れ梅雨の時代である。

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