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余録

タレーランといえばフランス革命期から…

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 タレーランといえばフランス革命期から19世紀前半にかけての仏外交を担った政治家である。とくにナポレオン戦争後の欧州の秩序を決めるウィーン会議で敗戦国フランスの地位保全を果たした辣腕(らつわん)で名高い▲その彼が若い外交官に与えた警句は、外交交渉に携わる者の間でくり返されてきたという。「そしてとりわけ、あなたの仕事について興奮に身を任せてはいけない」。20世紀の英外交官ニコルソンはこの言葉を引いて次のように記す▲「交渉という任務には不愉快な相手の愚鈍、不誠実、野蛮、または自惚(うぬぼ)れに直面する時もあるが、交渉者は怒りを示すことを避けねばならない」。「平静」「上機嫌」「忍耐」は外交交渉に携わる者に欠かせない資質だというのである▲半導体製造に不可欠な材料の韓国への輸出規制が波紋を呼んでいる。今までの輸出優遇措置を撤回したものだが、元徴用工問題で韓国が適切な解決策を示さぬことへの事実上の対抗措置らしい。貿易を外交のカードにしたようなのだ▲「透明、予測可能で安定した貿易環境」をG20で首相がうたい上げた直後の貿易手続きの政治的変更である。米有力経済紙は対抗国の中核産業を経済的に罰するトランプ米大統領の手法になぞらえて「日本のトランプ化」を皮肉った▲日本企業への差し押さえの損害を防ぐのに、他の日本企業の商機を奪うのもよく分からない。自由な貿易環境、そして通商国家としての信用という国益の根幹を一時の「怒り」「興奮」に委ねてはなるまい。

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