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社説

19年参院選 安倍外交 米国との距離が問われる

 冷戦後の世界をリードした米国の影響力が後退し、台頭する中国やロシアが存在感を増している。

     世界の秩序の担い手がいなくなり、秩序再編が起こりつつある中、日本外交はどうあるべきなのか。

     まず、安倍晋三首相の6年半にわたる外交の検証が必要だ。

     戦後の日本外交は、安全保障の土台である日米同盟基軸と国連中心の国際協調主義が2本柱だ。

     安倍政権で際立つのは、米国依存だろう。米国の影響力を通じて日本の権益を確保するという姿勢だ。

     このため、大統領の歓心を買うこともいとわない。5月に令和になって初めての国賓としてトランプ大統領を招いたのは、その代表例だ。

     この「おもねり戦術」は、米国が自由と民主主義のリーダーだったからこそ効果があった。それを壊しているのがトランプ氏である。

     多国間の枠組みを嫌い、欧州連合(EU)などの同盟国に負担が足りないと不満を示す。貿易戦争の矛先は日本にも向かい、日米安全保障条約の見直しにも言及する。

     首相がいくら国際協調の重要性を説いても自国第一に固執するトランプ氏とは、首脳間の信頼関係だけでは克服できないハードルがある。

     米国は今や世界の不安定要因だ。トランプ氏はイランへの軍事作戦を「10分前に中止した」というが、衝突が起これば日本はどうするのか。

     国際社会の多くの問題の行方はなお米国の判断にかかっている。大統領がだれであれ日本外交にとって強固な日米同盟は不可欠だ。

     同時に、米国一辺倒ではなく、周辺の大国である中露や不安定な北朝鮮と安定した関係をつくることも追求しなければならない。

     ただし、「2島返還」での北方領土交渉や「前提条件なし」の日朝首脳会談呼び掛けは、現実外交か、無原則な譲歩かの議論はあろう。

     自民党は公約で「力強い外交・防衛で、国益を守る」と打ち出し、防衛力整備の必要性を訴える。

     外交実績への自信をうかがわせるが、実態はトランプ氏の顔色をうかがって米国から防衛装備品を大量購入するだけにならないか。

     共闘する野党が一致するのは安全保障関連法廃止だけで、混迷する国際情勢に挑む共通戦略はない。

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