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菅原小春さん「見た方がいいです。見てください」 世界で活躍するダンサーが「いだてん」人見絹枝役でTVドラマ初出演

「いだてん~東京オリムピック噺~」の第26回の一場面。1928年アムステルダム五輪のレースに臨む人見絹枝を演じる菅原小春さん=NHK提供

 NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(総合で日曜午後8時など)に、ダンサーとして国内外で活躍する菅原小春さん(27)が、日本人女性で初の五輪出場を果たした元陸上選手、人見絹枝(1907~31年)役で出演している。岡山県の女学校でテニス選手として活躍した人見は、二階堂体操塾(現在の日本女子体育大学)に進み、陸上の才能を開花。卒業後は大阪毎日新聞(現在の毎日新聞)の記者としても働いた。やがて、日本人女性初の代表選手として、28(昭和3)年のアムステルダム五輪に出場する。

 7日放送の「いだてん」第26回「明日なき暴走」は、人見がアムステルダム五輪で走る姿を描く。演出を担当した映画監督の大根仁さん(50)は「10年に1本ぐらいだが、とんでもない作品ができるかもと思うことがある。(人見が本番に臨む前の)控室のシーンを撮っていて『自分の力を超えたものができあがる』という確信があった」と自信を見せる。放送を前に、今作がテレビドラマ初出演の菅原さんに見どころを聞いた。【屋代尚則】

 ――今作がテレビドラマ初出演になる。

 ◆人見さんは当時、自らの熱い「魂」を胸に、体を張って、日本を背負って海を渡った。その思いを私より下の世代にも伝えたい、魂を燃やしてこの役をやりたいと思った。

 ――第26回を見て、見事な演技だったと感じた。

 ◆演技でどういうふうに泣くかというのも含め(テレビドラマの)お芝居というのが分からないところがあって。私、たぶん、家でもあんなふうに泣いているんですけれど(笑い)。役を作り込んだという実感はなくて、ドラマの登場人物の境遇に思いをはせたら、自然とああいうふうになって(泣いて)いた。

 ――今後、ドラマなど俳優業への意欲は?

 ◆今回のように共鳴できる人見さんのような存在に出会えたときとか、私の体と心を通して、何か伝えられるものがあると思ったときに(俳優に)挑戦できれば。

 ――人見の実際のエピソードで印象に残ったことは?

 ◆人見さんの写真を見て、魂を燃やしてきた人だったんだなと強く感じた。1枚の写真だけでそれが感じられる、すさまじい人だなと。だから、誰かが人見さんについて文章で書いたものから彼女の情報を得るのでなく、彼女が走ったり、三段跳びに挑んだりする当時の映像を見て、動きだけでインスピレーションを得て、役を演じたいと思った。それに、残した文章の文字がチャーミングで、文章の中にも冗談が交じっていたりするなど、本当にチャーミングな女性だったんだなとも感じた。

 ――人見は、日本の女性のスポーツにおける先駆的な存在でもある。共感した部分は?

「いだてん~東京オリムピック噺~」第26回の一場面。恩師の二階堂トクヨ(寺島しのぶさん=右)と向き合う人見絹枝(菅原小春さん)=NHK提供

 ◆いつも、自分は孤独だと思っていて。海外に行く時も1人だし、(日本に)帰ってくると、孤独感に襲われてお風呂の中でわーっと泣いたりするんです。でも、人見さんのことを知って思ったが、周りに仲間がいるということはあったかいことなんだ、笑えることなんだと。人見さんの人生にもそれを感じたし、自分がドラマを作る(出演者やスタッフの)皆さんと過ごす中でもそう感じた。自分だけで戦わなくてもいいんだなって。

 ――人見は言葉を仕事にする新聞記者でもあった。自身と言葉との関わりについて。

 ◆以前はダンスで人と通じ合う、人に溶け込むということが気持ちいいと感じており、言葉でのコミュニケーションは「難しい」と思っていた。最近は、文字というものの面白さにちょっとずつ気付いてきたところがあって。言葉や文字の表現は、それ自体で傷つけられたり、傷つけてしまったりすることもあると思う。でも、大人になってからは、ある意味でそれも生きているということなのかなと思っている。

 ――改めて、人見について思うことは?

 ◆1人の人に出会うたびに、一つの扉が開いていったのではないかと思う。それらの出会いがなかったら、ある意味での「幸せ」にも巡り合わない人生だったかもしれない。よき仲間の存在があって、銀メダルを手にすることができた。「開拓した」人だなあって。私も開拓したい人だ、同じだなって思います。ふっふっふっ。

 ――最後に一言、第26回のアピールを。

 ◆見た方がいいです。見てください。シンプルですが、それだけです。

第26回「明日なき暴走」のあらすじ

 1928年アムステルダム五輪が迫る中、朝日新聞記者の田畑政治(阿部サダヲ)はその人脈を生かし、大蔵大臣の高橋是清(萩原健一)に選手派遣のための資金援助を直談判する。そのアムステルダム大会では、女子陸上が正式種目に。国内予選を席巻した人見絹枝(菅原小春)だが、五輪本番ではプレッシャーに押しつぶされ、期待された100メートルで惨敗。このままでは日本の女子スポーツの未来が閉ざされる。人見は未経験の800メートルへの挑戦を決意する。

すがわら・こはる

ダンサーの菅原小春さん=NHK提供

 1992年生まれ。千葉県出身。幼少期から創作ダンスに励み、数々のコンテストで優勝。高校卒業後に渡米し、独自のダンススタイルを確立する。国内外の人気アーティストの振り付けや、ダンサーを務める傍ら、テレビやラジオでも活躍する。米津玄師さんが作詞、作曲した「<NHK>2020応援ソング『パプリカ』」のダンスも考案。

屋代尚則

2002年入社。東京本社情報編成総センター、大阪本社学芸部などを経て、東京本社学芸部。放送分野の記事を主に担当

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