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余録

お金あるところに偽金作りあり…

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 お金あるところに偽金作りあり。明治新政府の最初のお札「太(だ)政(じょう)官札(かんさつ)」も偽札が出回った。なんと当時の地方政庁だった福岡藩はじめいくつかの藩や、横浜の居留地の外国人も偽造に手を染めたという▲中国で偽造されたお札も開港場に持ち込まれたというから、内外の人たちからよほど簡単に作れるとなめられたのか。お金への欲望に国籍も、国境もない以上、その偽造や不正使用の悪知恵もたちまちあらゆる境界を越えて広がった▲そんな「お金」を取り巻く欲望や悪知恵の底知れぬ力を見くびっていたのか。セブン-イレブンが現金払いに代わるスマートフォン決済として始めた「7pay(セブンペイ)」で発生した5500万円にのぼる不正使用被害である▲開始わずか4日間で約900人の利用者のIDやパスワードが不正アクセスにより流出し、買い物に使われたこの事件である。運営側は記者会見で謝罪して、被害の全額補償を表明したが、原因についてはまだ「調査中」としている▲驚くのは事前のセキュリティー検査で「脆(ぜい)弱(じゃく)性(せい)は確認されていない」との釈明だ。現実の偽札の氾濫(はんらん)を前に、お札の発行者が偽造は不可能と話すようなものである。実際はスマホ決済に必須とされる2段階認証も採用していなかった▲不正アクセス元は中国など複数国で、不正決済を図った疑いで中国人2人が逮捕された。昔の太政官札並みの格好の標的とみられたのか。甘いセキュリティーを世界中で待ち構えるサイバー空間の偽金作りたちだ。

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