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西日本豪雨

「平成最悪の豪雨被害」をもたらした西日本豪雨。広い範囲で土砂崩れや河川の氾濫が多発し、甚大な被害となった。

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夫の死を乗り越えハサミ握る 愛媛・西予市の理容師 西日本豪雨1年

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長男宙さん(左)の理髪店で働く兵頭千恵さん(中央)。なじみの客の散髪を終え、「また来てね」と笑顔を見せた=愛媛県西予市野村町地区で2019年6月14日午前11時1分、中川祐一撮影
長男宙さん(左)の理髪店で働く兵頭千恵さん(中央)。なじみの客の散髪を終え、「また来てね」と笑顔を見せた=愛媛県西予市野村町地区で2019年6月14日午前11時1分、中川祐一撮影

 東海から九州まで広範囲で大雨が降り、災害関連死を含め275人が死亡、8人が行方不明となった西日本豪雨は6日、最初に大雨特別警報が出てから1年となった。

 ダムの緊急放流後に肱川(ひじかわ)が氾濫し、5人が死亡した愛媛県西予市野村町地区の理容師、兵頭千恵さん(65)は浸水で理髪店を兼ねた自宅が全壊し、1カ月後に夫幸治(こうじ)さんも病気で亡くした。「災害さえなければ今も生きていたはず」。今もそんな思いを抱えながら、前を向こうとハサミを握る。

 大柄な体にパーマをかけた髪、口ひげ、色つきのメガネ――。千恵さんが暮らす仮設住宅には若かりし日の幸治さんの写真が並ぶ。「こわもてだったけど、物静かで怒った姿は見たことがなかった」。幸治さんの父が開いた「兵頭理容室」を夫婦で継いで二十数年。閉店後、プロ野球のナイター中継を見ながら、千恵さんが幸治さんの髪にパーマをあてるのが、いつしか習慣になった。

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