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奇跡的に救助された雄犬「くう」 新たな飼い主に引き取られ 西日本豪雨1年

「くう」の頭をなでる橘田さんは「一緒にいて一生幸せにしてあげたい」と話している=福岡県新宮町で2019年6月30日午前11時42分、末永麻裕撮影

 昨年7月の西日本豪雨で、福岡県筑紫野市の山中で犬の世話をしていた同県宇美町の山崎ツギ枝さん(当時68歳)が土砂崩れの犠牲となった。現場の保護施設にいた犬は豪雨から8日後に奇跡的に助け出された。現在、新たな飼い主となったのは、山崎さんとともにボランティアをしていた夫妻で「災害を生き延びた犬を通じて保護犬の実態を知ってほしい」と話している。

 施設にいた雄犬「くう」の新たな飼い主となったのは同県新宮町の橘田(きった)洋さん(42)と香さん(47)夫妻。くうと暮らすためにマンションから戸建てに引っ越し、室内を改装して6月下旬にくうを迎えた。くうは豪雨後、大分県の九州災害時動物救援センターに引き取られていた。

 山崎さんが保護施設付近の土砂崩れに巻き込まれたあの日、施設にいたくうも犠牲になったとみられていた。くうはボランティアに通っていた橘田さん夫妻によく懐いていたといい、橘田さんは「生きている気がする。死んでいても連れて帰りたい」と豪雨の8日後に山に捜索に入った。

 山には保護施設が残っており、くうの名前を呼んで捜すと「ワンワン」という鳴き声が返ってきた。暑い日差しとぬかるんだ地盤の中、くうを抱きかかえるなどしながら無我夢中で下山。くうの体重は10キロ近く落ちて衰弱していた。

 香さんがドッグトレーナーの資格を持っており、橘田さん夫妻は戸建てに引っ越したのを機に、福岡市から保護犬を一時的に引き取って譲渡会をしたり、飼い主への啓発活動やしつけの教室なども開いたりしていきたいという。庭には犬が自由に走り回れるドッグランも整備する予定だ。

 2人は、飼い主への啓発を続けて迷い犬や保護施設などへの持ち込みを防ぎ、保護犬の飼い主を増やすことでいずれは保護施設が必要でなくなる社会にしたいと願う。

 くうを迎えた橘田さんは「保護活動はいずれやりたいと思っていて、くうが後押ししてくれた。くうを通して一人でも多くの人が保護犬に目を向けてもらえるような場にしたい」と話している。【末永麻裕】

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