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男の気持ち

七夕の願い 静岡市葵区・安藤勝志(無職・77歳)

 その日の早朝、私は里芋の葉の露をコップに集めてすずりに注ぎ、墨をすった。そして短冊に「じがじょうずにかけますように」と書いて葉竹に飾った。こうすれば字がうまくなると祖母に聞いた通りにした。小学校の入学前のことだ。

 こと座のベガは織り姫星とも言われる。七夕に技芸上達を願うのは機織りにちなんでいるのだろう。私はひたすら能筆を願った。しかし、ついに願いはかなうことはなかった。いまだに悪筆に苦しんでいるのだ。

 情けない話ではあるが、能筆が生来の才能ではないかと気づいたのは、つい最近のことだ。私の家の近くに長…

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