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三浦雅士・評 『江藤淳は甦える』=平山周吉・著

『江藤淳は甦(よみが)える』

 (新潮社・3996円)

全編を貫く母と妻の存在

 江藤淳の自殺に驚いたのは1999年7月。享年66。没後20年である。本書はその江藤淳の評伝。力作かつ労作だ。800頁(ページ)近いが、読ませる。いわば痒(かゆ)い所に手が届くような仕上がりで、なぜと思う瞬間にすっと内側に入り込んで貴重な資料を示し、疑問を氷解させ、再び俯瞰(ふかん)する位置に戻る。巧みだ。

 昭和前半を代表する文芸評論家が小林秀雄ならば、後半を代表するのが江藤淳。慶応大学の学生だった頃、処…

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