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東京へ ともに歩む

毎日新聞

【アジアパラ大会・車いすバスケットボール男子】【日本-イラン】第4クオーター、パスコースを探す鳥海連志=インドネシア・ジャカルタで2018年10月13日、久保玲撮影

パラアスリート交差点

車いすバスケ・鳥海連志「やってみる」強豪との差、埋められるかはこれから次第

 6月下旬の1週間、僕は男子日本代表の遠征で米テキサス州アーリントンに滞在しました。テキサス大アーリントン校で行われた日本、米国、スペインの3カ国対抗親善試合に参加するためです。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックで米国は金メダル、スペインは銀メダル、日本は9位でした。20年東京大会で金メダルを目指す日本にとっては、(現在の力を試す)格好の対戦相手です。

     米国は高さこそありませんが、攻撃がシステム化しています。全体的にスピードが速く、シュートの確率もかなり高いです。一方、スペインは高さを生かしたゴール下の戦術にたけています。高さがあると攻撃だけではなく、リバウンドでも有利です。

     試合前、及川晋平ヘッドコーチから、こんな話がありました。「スペインとは昨年からいい試合をしている。互いに逆転を繰り返すクロスゲームに持ち込みたい。現時点での実力では、正直に言って米国にはかなわない。100%の力でぶつかった時に、どこが足りないのか見いだしていこう」。僕もそのつもりで臨みました。

     試合は両チームと3試合ずつ戦う形式です。結果で言えば、日本は0勝6敗で一回も勝てませんでした。しかし、スペインとの対戦ではクロスゲームに持ち込めており、第3戦は58―60という惜敗でした。あと1ゴールが遠い。2点の重みをひしひしと感じました。自分たちがコントロールした中でバスケットをできているから、スペインをここまで追い詰めることができたと思います。

     米国にははっきり言って歯が立ちませんでした。パス、シュート、車いすを操るチェアスキルと、すべてにおいて日本よりレベルが高かったです。改めてすごさを認識したのが、ジェーク・ウィリアムズという選手です。ローポインターと呼ばれる比較的障害が重い選手であるにもかかわらず、シュートセンスが抜きんでており、基本的にシュートを外しません。僕は米国で一番のシューターだと思います。

     来年の東京パラリンピックまでもうすぐ残り400日です。今回の遠征を通じて、いい意味でも悪い意味でも米国、スペインとの差を感じました。しかし、僕らにはまだ可能性があると思います。一つは、今まで積み重ねてきた土台があるということ。もう一つは、単純に伸びしろが大きいということです。強豪との差を埋められるかどうかは、これからに懸かっています。

     将来的に海外リーグ挑戦も視野に入れている僕にとって、海外選手やコーチとの交流は有意義なものでした。食事や宿泊場所も一緒だったのですが、スペインの選手と「さっきはファウルしてごめんね」などという会話も交わしました。いろいろな選手やコーチとコミュニケーションを取れば、さまざまなことを吸収でき、刺激を受けることができます。負けはしましたが、それ以上にプラスになった今回の米国遠征となりました。

    東京パラリンピックは猛暑が懸念されています。どんな暑さ対策をしていますか。

     暑さが得意というわけではありませんが、寒いよりは暑い方が好きです。先日の米国遠征では、外はとても暑いのに、体育館はガンガンに冷房が利いていて閉口しました。自宅では冷房をつけず、扇風機を回して過ごしています。

     暑さ対策では、水分を取ることがもちろんですが、体重の増減に気を配っています。どれだけの水分が汗や尿として体外に排出されているかを把握して、水分補給の量を決めています。

    ちょうかい・れんし

     長崎市出身。手や脚に先天性の障害があり、3歳で両膝下を切断。中学1年で車いすバスケットボールを始め、高校1年で日本代表入りした。2016年リオデジャネイロ・パラリンピック代表。17年のU23(23歳以下)世界選手権でベスト5(優秀選手)に選ばれた。20歳。