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工藤 美代子・評『院政 天皇と上皇の日本史』本郷恵子・著

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「権力」「権威」「権勢」の違いを深く考察するための指南書

◆『院政 天皇と上皇の日本史』本郷恵子・著(講談社現代新書/税別920円)

 新天皇が即位され、令和の時代が始まった。最近は、皇室そして天皇の在りようや将来についての報道が多い。女性週刊誌やオピニオン誌は毎号のように特集を組んで、熱心に皇室問題を取り上げる。それは女性皇族の結婚の是非から、皇室の存在意義まで、まことに多岐にわたっている。

 国民があらためて皇室に関心を持つのが悪いことだとは思わない。しかし、自分も含めてどれほどの数の日本人が、実に126代にわたる天皇の歴史を知っているのか。それを考えると、女性天皇や女性宮家について軽々に論じる前に、一度原点に立ち戻って、皇室の歴史をおさらいしておく必要を感じていた。

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