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「化粧は対人関係の鏡」 化粧文化研究者らが横浜で講演会

会場からの質問に答える北山晴一名誉教授=化粧文化研究者ネットワーク提供
パネルディスカッションで語り合う(右から)富川栄さん、関西大学の木戸彩恵准教授、資生堂の池田智子さん、江川悦子さん、山本芳美教授、甲南女子大学の米澤泉教授

 立教大学の北山晴一名誉教授が代表を務める「化粧文化研究者ネットワーク」がこのほど、「化粧文化研究の未来を考える」と題した講演会を資生堂グローバルイノベーションセンター(横浜市西区)で開いた。化粧がもたらす心理的効果や社会的広がりを探る議論に、約120人が耳を傾けた。

     同ネットワークは、化粧を文化的に研究する学者や化粧に関連する文化、芸術、経済、社会活動などを行う人たちによって、2005年に結成された。今回は主催講演会が50回を数えたことを記念し、東京大学の原島博特任教授らを来賓に迎え開催。冒頭、あいさつに立った原島特任教授は「どこからどこまでが顔なのか」という問いを投げかけた。「表情筋が支配する範囲が顔」「朝の洗顔時に洗う部分が顔」といった回答を例示し、さっそく会場を沸かせた。

     北山代表は基調講演で、多くの研究者による「化粧の定義」を紹介。「人間の世界と自然界との境界線を引くために、体に色や傷をつけたことが化粧の始まり。装いと粧(よそお)い関わるすべてが化粧で、身体ケアや身体表現、身体加工も含まれる」と語った。

     都留文科大学の山本芳美教授による台湾の原住民が伝承する入れ墨の紹介や、映画やドラマで活躍する特殊メークアップアーティストの江川悦子さんによる「老け顔に見せるメーク技術」の解説など、さまざまな分野から化粧の持つ力や可能性が示された。

     パネルディスカッションでは、顔中心から爪、髪、全身へと、また女性中心から男性へと広がってきた化粧の「守備範囲」が、AI(人工知能)などの介入によってどう変わっていくのかなど、化粧とその研究の未来を展望する議論が活発に交わされた。ビューティークリエーターの富川栄さんは「化粧は対人関係を反映する。『人からこんなふうに見られたい』という理想像が多様化するにつれ、化粧による表現も多彩になっていく」と述べた。【上杉恵子】

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