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余録

古代中国の前漢末期の戸籍調査は…

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 古代中国の前漢末期の戸籍調査は約6000万の人口を記録した。だが直後の前漢滅亡から王莽(おうもう)の新王朝を経て後漢建国にいたる戦乱をくぐり抜けた後の人口は約2000万人に激減した。「人口崩壊」である▲欧州でも中世の百年戦争などの戦乱やペスト流行などで住民の3分の1やら半分やらが失われる人口崩壊があった。むろん日本でも有史以来、戦乱や飢饉(ききん)はくり返されたが、人口の何割もが失われる人口崩壊は経験していないという▲だが歴史時代に先立つ縄文時代には縄文人の数が最も多かった時期の3分の1にまでなる人口の激減があったという。先ごろ東京大学の研究チームが英科学誌に発表した現代日本人のDNA解析にもとづく縄文末期の人口推計である▲DNA解析でご先祖の過去の人口推移まで分かるのは素人には驚きである。ここはその結論だけを言えば、今から約3200年前から1200年の間に一時は約26万人に達した縄文人の人口が3分の1にまで減った計算になるそうだ▲1000年以上にわたる話だが、縄文人口崩壊といえようか。原因は寒冷化による食料不足とみられる。実はこの推計、遺跡数などにもとづく今までの仮説とも一致するという。列島の人口回復は稲作が渡来した弥生時代のことになる▲思えば戦乱も疫病もないのに、50年後には人口が3割も減る人口崩壊の時代を生きる今日の日本人である。縄文のご先祖らがにわかに身近に感じられるが、新たな“弥生時代”は自ら設計せねばなるまい。

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