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地球の約400キロ上空の軌道を周回している国際宇宙ステーション(ISS)に設置された日本実験棟「きぼう」が、今月19日に完成から10年を迎える。日本の有人宇宙開発の核としての歩みや、宇宙飛行士が取り組んだ実験から生まれた成果を振り返った。【野田武、池田知広】
●NASAの協力で
「きぼう」は、微小重力など宇宙の特殊な環境を利用した実験施設として1980年代に構想され、開発が始まった。完成予定は95年だったが、ISSの建設延期や米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故(2003年)などの影響で遅れた。宇宙へは、08~09年にスペースシャトルで3回に分けて運ばれた。
「ISSへ無事着いてほしいと祈るしかなかった」。開発に長く携わった長谷川義幸・宇宙航空研究開発機構(JAXA)元理事は、スペースシャトルの打ち上げを見守った当時の心境を述懐する。最後は09年7月19日、若田光一宇宙飛行士が滞在中のISSのロボットアームで構造物を取り付けて完成に至った。
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