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余録

「つくもがみ」は漢字では「付喪神」あるいは…

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 「つくもがみ」は漢字では「付喪神」あるいは「九十九神」と書く。人の使う道具が妖怪化したものをこう呼んだ。昔の人は道具に宿る霊魂は100年もたって古びると神秘的力を得て人を惑わすと考えたのだ▲だから百(ひゃっ)鬼夜行(きやこう)の絵には鍋や釜、傘や琵琶などさまざまな道具の化け物が描かれている。物に霊魂があるという考え方は針や刃物など道具を供養する風習にも表れているが、今日の日本人のロボット好きなどにも受け継がれていよう▲いや100年を経ずとも宇宙を32億キロも旅すれば小惑星探査機も神秘的な霊力を宿らせるのか。初代「はやぶさ」の苦闘に感情移入した日本人に、今度は神がかったような完璧(かんぺき)なミッション達成を見せてくれた「はやぶさ2」である▲小惑星リュウグウでの今回の任務は、4月に銅塊を衝突させてできたクレーター近くへの一時着陸だった。銅塊衝突時に飛び散った地下の岩石を採取するのが目的で、どうやら世界で初めて小惑星の地下の試料入手に成功したようだ▲前回の着陸ですでに地表の試料採取に成功していただけに、リスクを伴う再着陸決行には迷いもあったようだ。結局、入念な事前調査や準備が完璧な目標達成をもたらしたが、最後はやはりはやぶさ2に感謝したくなる日本人である▲カプセルに収めた試料は太陽系形成の様子を伝え、地球の生命の起源解明への期待も集める。地球への帰還は来年の末になるというはやぶさ2だが、あとはどうか持てる霊力を帰路の平安に用いてほしい。

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