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「苦痛と苦難におわび」ハンセン病家族に首相談話 原告以外にも補償検討

記者会見で安倍晋三首相の談話を発表する菅義偉官房長官=首相官邸で2019年7月12日午前10時51分、川田雅浩撮影

 政府は12日、ハンセン病元患者の家族への賠償を国に命じた熊本地裁判決の控訴見送りに関し、安倍晋三首相の談話と政府声明を持ち回り閣議で決定した。首相談話は、患者や元患者、家族への「おわび」を明記。確定判決に基づく賠償を速やかに履行し、訴訟への参加、不参加を問わず、家族を対象とした補償制度を早急に検討すると表明した。首相が家族と直接面会する方針も示した。

 首相談話は「かつてとられた施設入所政策の下で、患者・元患者のみならず、家族にも社会で極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実」と表明。そのうえで「事実を深刻に受け止め、家族が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からおわび申し上げる」と述べた。今後の対応として「関係省庁が連携・協力し、人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組む」とした。

 一方で、政府声明は、熊本地裁判決は、時効の起算点や国会議員の責任などの点で「国家賠償法、民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点がある」と指摘した。

 訴訟は、元患者の家族561人が、ハンセン病患者の隔離政策により家族も深刻な差別を受けたとして、国に1人当たり550万円の損害賠償と謝罪を求めた。

 6月28日の熊本地裁判決は、541人に対する国の責任を認め、1人当たり143万~33万円、総額3億7675万円を支払うよう国に命じた。残る20人は国の違法行為が続いた2001年末まで、本人も周囲も患者家族と認識していなかったとして請求を退けた。国は民法の消滅時効(3年)の起算点について、1996年のらい予防法廃止などと主張したが、判決は同種の鳥取地裁判決(15年9月)以降と判断した。【高橋克哉】

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