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九州大雨 過去を教訓に避難勧告・指示発令も避難低調 求められる検証

避難所となった公民館で大雨の情報を伝えるニュースに見入る近隣住民ら=鹿児島市で2019年7月3日午後6時2分、森園道子撮影

 九州南部を中心に6月末から降り続いた記録的な大雨では、各自治体が過去の災害を教訓に早めに避難勧告・指示を発令し、多様な伝達手段を使った。しかし、行政が開設した避難所にはごく一部の住民しか訪れず、今後の対策のためにも住民の避難行動の検証が求められる。

 鹿児島県鹿屋市は、6月28日の降り始めからの総雨量が年間雨量の3割の901ミリに達した。市は7月3日午後1時15分、全域の10万2425人を対象に避難勧告を発令。気象庁が同午前10時に開いた2回目の臨時記者会見後、時間をおかずに判断した結果だった。同午後6時に避難指示に切り替えた。

警戒レベルと住民がとるべき行動

 2017年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨で被災はしていないが、市の担当者は「教訓として共有し、防災に生かした」と説明する。防災行政無線で伝える内容を工夫し、「土砂災害の危険性が極めて高まっています」など住民が危機感を持ちやすい表現にした。

 鹿児島市は、気象庁の2回目の臨時会見より早い7月3日午前9時35分、市内全域の約59万人に避難指示を出した。鹿児島県では1993年、死者・行方不明者49人を出した「8・6水害」があり、同市でも土砂災害や家屋への浸水が相次いだ。市危機管理課の担当者は「8・6水害以来の危機との指摘が有識者らからあり、早め早めの判断をした」。情報伝達は西日本豪雨に学び、今年3月から無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用するなど多様化させていた。

民家に土砂が流れ込んだ現場で救出作業に当たる消防隊員ら=鹿児島県曽於市で2019年7月4日午前11時50分、徳野仁子撮影

 行政が改善を試みる一方、避難は低調だった。鹿児島、鹿屋両市の避難者数はそれぞれ最大3453人と同567人で、対象者の1%にも届いていない。

 ただ、自宅が安全な場所にある場合は必ずしも避難する必要はない。避難所ではなく親類や知人宅に身を寄せたり、自宅の上階に移ったりしても避難となる。住民の避難状況は正確には把握されていない状況だ。鹿児島市の担当者は「市民の避難や防災行動について今後検証し、次の災害で効果的な避難情報を発令するための検討材料にしたい」と話している。

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