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社説

19年参院選 就労外国人 隣人としてどう向き合う

 この4月から新しい入管制度が始まり、在留資格「特定技能」での外国人労働者受け入れが始まった。専門職以外の外国人は受け入れないという従来方針の大転換だ。

     外国人を単なる労働力として見るのか、それとも地域社会の一員として共生を深めるのか。日本はその岐路に立っている。

     だが、国の将来を形づくる重大テーマにもかかわらず、今回の参院選で取り上げられる場面がほとんどない。隣人としてどう向き合うのか。与野党とも具体像を語るべきだ。

     総務省の人口動態調査では、日本で暮らす日本人は昨年1年間で43万人あまり減った。一方、在留外国人は過去最多の266万人超で初めて全体の2%を超えた。生産年齢人口に限れば比率はもっと高く、日本人労働者の減少を補っている。

     重要な働き手であり、日本人と同等の待遇が必要である。そのネックになってきたのが技能実習制度だ。政府は、特定技能で受け入れる半数を技能実習生からの移行と見込む。

     野党の追及を受け、法務省が3月にまとめた報告書では、昨年9月までの1年9カ月に失踪した実習生5218人のうち721人に、最低賃金違反など実習先による不正行為の疑いがあった。低賃金で都合よく労働力を使う現実が浮き彫りになった。政府は運用適正化に努めるというが、実習制度温存には無理がある。

     共産党は、公約で実習制度の廃止をうたうが、立憲民主党や国民民主党は触れていない。昨年の国会審議での追及は何だったのか。

     与野党問わず訴えるのが「多文化共生」の実現だ。スローガンではなくその内実が問われる。

     政府は昨年末、外国人が必要な行政サービスを一元的に受けられ、多言語に対応できる相談窓口を全国100カ所に設ける計画を打ち出した。しかし、3月時点の申請自治体は68だった。「特定技能」の試験を実施したのが「介護」など3業種にとどまるなど、準備不足のまま制度をスタートさせた影響が出ている。

     労働者が都市に集中する懸念も依然残る。こうした現状を各党はどう見ており、いかに改善するのか。

     通常国会で成立した日本語教育推進法の活用など長期ビジョンを含め、活発な政策提言が必要だ。

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