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社説

ホルムズの有志連合 大義があるのか見極めを

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 トランプ米政権が中東ホルムズ海峡などの安全確保のために軍事的な有志連合の結成を呼び掛けている。

 ホルムズ海峡付近でタンカーが相次いで攻撃されたことを受け、航行の自由を確保する狙いだという。

 ホルムズ海峡は日本向け原油の8割超が通過する要所で、他国以上に依存度が高い。日本は安全確保に主体的に取り組まなければならない。

 ただし、有志連合については、大義があるか吟味が必要だ。

 トランプ米大統領がツイッターで「なぜ米国が無償で他国のために輸送路を守っているのか」と不満を示し、日本と中国を名指しして自国で守るように訴えたのが発端だ。

 しかし、もともとこの緊張を生みだしたのは、オバマ前政権が署名したイラン核合意から一方的に離脱したトランプ政権である。

 米国の狙いはむしろ、イランへの国際包囲網づくりではないか。トランプ氏は核合意の再交渉を狙っている。そのために、新たな圧力の枠組みを構築し、イランを交渉の場に引き出したいのだろう。

 こうしたトランプ政権の姿勢に理はあるだろうか。タンカー攻撃はイランの仕業だと米国は主張する。しかし、明確な証拠はなく、日本を含めて支持する国は広がっていない。

 有志連合は、国連安全保障理事会などの決議を経ずに結成され、国際協調体制の裏付けを欠く。米国に同調する一部の国がこぞって軍事力を中東に投入すればどうなるか。

 有志連合の結成が緊張を一段と高めるのなら、本末転倒ではないか。

 たとえ大義の問題がクリアされたとしても、自衛隊派遣にどういう法令が適用できるかは判然としない。

 自衛隊法の海上警備行動を発令すれば船舶を護衛できる。ただし、対象は日本に関係する船舶に限られ、有志連合の作戦下に加われるかは不明だ。海賊対処法でも護衛は可能だが、海賊行為に限定される。

 安全保障関連法では日本の安全に重要な影響がある場合に他国軍の後方支援ができる。だが、船舶の護衛という目的にはそぐわない。現行法では困難と判断すれば新法が必要になるが、国会審議に時間がかかる。

 日本にとって重要な問題だ。参院選が行われている最中だからこそ、議論から逃げるべきではない。

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