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武田 砂鉄・評『めぐりながれるものの人類学』石井美保・著

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すぐに答えを求めず 待つこと、聴くこと

◆『めぐりながれるものの人類学』石井美保・著(青土社/税別1900円)

 日々は流転しているので、ある地点や瞬間を書き留める時に、その体はどこかしら無理をしている。目の前で起きていることと頭の中の思索をそのまま混ぜ込んだらどんな文章が生まれるのだろうと、毎日のように思うのだが、なかなかできそうにない。その混ぜこぜを実現させたのがこの本、なのかもしれない。

 タンザニア、ガーナ、インドなどで調査を行ってきた文化人類学者は、長期のフィールドワークの間、生活の中心を占めるのは「待つこと、そして聴くこと」とこたえる。出会い、通過していく、「霊媒」のような役割を果たしてきた。

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