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憂楽帳

50年以上続く毎日新聞夕刊社会面掲載のコラム。編集局の副部長クラスが交代で執筆。記者個人の身近なテーマを取り上げます。

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沖縄に向き合う

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 初めて沖縄を訪れた1995年はまだ学生でお金がなく、バスツアーで沖縄本島を巡った。北部で自然の豊かさを実感する一方、中南部では米軍基地の多さに圧倒された。戦争遺跡を見て気が重くなり、翌年以降は八重山諸島など離島を旅するようになった。旅なのだから気が沈むものに触れる必要はないと思った。きれいな沖縄だけを見ていたかったのだ。

 転機は新聞記者になって11年目の2010年。生涯沖縄を撮り続けた写真家、東松照明さんの写真集に出合ったこと。南国独特の色鮮やかな風景とともに、低空を飛ぶ戦闘機や鉄条網が隣り合わせの街並み、米兵と日本人との間に生まれたとみられる子どもたちの姿もとらえていた。すべて合わせて沖縄だと理解した時、自分が正面から向き合ってこなかったことに改めて気づいた。そして再び、休みを利用して沖縄本島に通い始めた。

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