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社説

減り続ける投票所 利便性損ねない手立てを

 このままでは投票に際してのハードルがどんどん高くなってしまう。

     今回の参院選で、投票所の数は3年前の前回より858カ所少ない4万7044カ所となった。人口減少に伴い設置が困難となり、統廃合されるケースが増えているためだ。

     投票所の減少は、市町村合併などの影響もあり長期的に続いている。参院選の場合、前回も2013年に比べて約870減り、ハイペースで推移している。とりわけ、山間部など過疎地の多い県で目立つ。

     多くの自治体が投票所の閉鎖理由として挙げるのは、立会人の確保が困難なことだ。高齢化が進み、なり手が不足している。

     投票所の設置箇所数などの基準を法律は定めていない。閉鎖地域はおおむね高齢者が多く、投票のための遠隔地への移動は身体、精神的負担を伴うことも少なくない。今後は、運転免許証の返納などでマイカー移動が難しくなる事態も予想される。

     それだけに、市町村は手立てを講じる必要がある。

     ひとつの方策は移動手段の提供だ。青森県田子(たっこ)町は高齢者や体の不自由な人を、期日前投票所までタクシーで無料送迎している。バスで有権者を投票所に運ぶ取り組みも複数の自治体で普及しつつある。

     移動投票所としてワゴン車などが山間部などを巡回して期日前投票を受け付ける手もある。島根県浜田市が前回の参院選から始めたもので、車内に投票箱と記載台を置き、有権者が車に乗り込んで投票する。いくつかの自治体に広がっており、これも有効な方法だろう。

     中心街など交通の便がよい場所に住民であれば誰でも投票できる「共通投票所」を置くことも可能だ。

     青森県つがる市は約50あった投票所を約3分の1に統合するかわりに、全投票所を共通投票所とした。多くの市町村は「二重投票」への懸念などから導入に慎重だが、しり込みせずもっと積極活用すべきだ。

     総務省は現在、在外邦人などを対象としたインターネット投票の研究を進めている。実現すれば自宅投票に道が開けるが、現時点で早期の実施には課題も多い。

     ことは投票の機会に関わる。有権者の利便性を損ねないよう、国は多角的に対策を検討してほしい。

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