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余録

財貨をめぐる漢字の部首が「貝」なのは…

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 財貨をめぐる漢字の部首が「貝」なのは、古代中国の殷(いん)王朝がタカラガイ科の巻き貝、子安貝(こやすがい)を貨幣にしたためという。この美しい貝殻は中国からインド、アフリカにかけての広い地域で貨幣にされた▲その産地で名高いのはインド洋のモルディブだが、民俗学者の柳田国男(やなぎた・くにお)は沖縄も世界的にまれな産地だったと「海上の道」に記している。子安貝が世界的に通用する貨幣の元祖だったとすれば、沖縄はまさに宝の島だったことになる▲さて、こちらは27億人が利用できる世界通貨が一挙にして誕生するかもしれないという現代の話である。米フェイスブック(FB)が来年前半にも発行をめざしている仮想通貨(暗号資産)「リブラ」をめぐる論議が熱を帯びている▲米上院委はリブラ計画の責任者への公聴会を開いたが、議員からは個人情報保護や不正取引防止策への不信や批判がぶつけられた。FB側はリブラの運営は非営利組織に委ね、規制当局の適切な承認を得るまで発行しないと言明した▲また国際通貨基金(IMF)の報告書は、超国家的な仮想通貨が各国の中央銀行の金融政策を無力化する恐れを指摘する。FBはリブラの金融政策への影響を否定するが、制御がきかない領域が生まれることへの金融界の懸念は大きい▲開幕した主要7カ国(G7)の財務相・中銀総裁会議はリブラへの規制を初めて論議する。宝の島も手品のように作り出せる巨大IT企業だが、もたらされるのは安心して使えるお金か、毒をはらんだただの貝殻か。

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