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社告

練馬で坂本繁二郎回顧展 成熟過程つぶさに

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 <出かけてみませんか 毎日新聞社の催し>

     近代日本を代表する洋画家、坂本繁二郎(1882~1969年)の没後50年を記念した回顧展を練馬区立美術館(東京都練馬区)で開催中です。福岡・久留米に生まれ、ヨーロッパ留学後は郷里近くの八女(やめ)で制作を続けた坂本の絵画が成熟していく過程を人生の歩みとともに紹介します。坂本の充実した人生と静寂な絵画世界をご堪能ください。同館の加藤陽介主席学芸員が主な作品を2回にわたり解説します。=次回は26日掲載予定

    15歳、芽吹く才能 立石谷 坂本繁二郎

     坂本の郷里の久留米から少し離れた現在の佐賀県鳥栖市にある御手洗(おちょうず)の滝を絹地に水墨で描いた大作。墨の濃淡による陰影のつけ方は巧みで、まるで古写真を見るかのような正確さと味わいをもち、加えて、上半分は仰瞰(ぎょうかん)、下半分は水平と二つの視点を組み合わせた、構図の迫力をも兼ね備えている。10歳ごろから油彩画の先生に絵を学んでいたとはいえ、この図は15歳の頃の作品というから坂本少年の“神童”ぶりを私たちに伝えてくれる。

    同郷の盟友、青木繁 朝日(絶筆) 青木繁

     同郷の同級生、そして生涯の盟友であった青木のことを坂本は「これほど尊敬と批判の交錯した微妙な陰影を投げかけた友はなく……」と語っている。病を得、九州を転々としていた青木は佐賀の知人の所に身を寄せながら、唐津の海を主題にこの絵を描いたという。青木のもつ荒々しい岩波の表現はここにはなく、穏やかな波のかなたから朝焼けの光明が差している。再び東京へ戻り画家としての成功を夢見る青木の悲願はこの作品をもってついえてしまう。

    ビビッドな色遣い 張り物 坂本繁二郎

     一足先に東京に上った青木の上達ぶりにがくぜんとした坂本はその後を追うように1902年、20歳で上京を果たす。画塾で勉強しながら、展覧会に出品しいくつもの賞を受け、順調な画家人生をスタートさせる。この絵も第4回文展に出品し褒状を得ている。結婚したばかりの妻をモデルに描いた作品で、印象派を意識したのであろうか、目を刺すような光をたたえたビビッドな色遣いは坂本の画業を通して唯一のものである。前掲の青木の絶筆と同じ年に描かれた作品である。


     <会期>9月16日(月・祝)まで。月曜休館(ただし祝日・振り替え休日の場合は開館、翌日休館)。開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時半まで)<会場>練馬区立美術館(東京都練馬区貫井1の36の16、西武池袋線・中村橋駅下車徒歩3分)<観覧料>一般1000円▽高校・大学生、65~74歳800円▽中学生以下、75歳以上は無料 ※無料、割引対象の方は年齢等確認できるものを提示<問い合わせ>練馬区立美術館(03・3577・1821)

     主催 毎日新聞社、練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)/特別助成 公益財団法人石橋財団


     t.jigyou@mainichi.co.jp

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