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窓をあけて

「理系白書」の報道などで第1回科学ジャーナリスト大賞を受賞した、元村有希子編集委員のコラム。

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ゼロを1にする仕事=編集委員・元村有希子

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 自然を愛した昭和天皇は、優れた科学者でもあった。陵墓には顕微鏡が副葬されたと聞く。その天皇が戦前から戦後にかけて採集した生物標本の一つが昨年、「106年ぶりの新種発見」として注目を浴びた。

 論文を書いたのは岡西政典・東京大特任助教(36)。深海にすむ棘皮(きょくひ)動物、テヅルモヅルの専門家である。

 「謎の生物」に胸をときめかせる子どもだった。その謎を解き明かし、名前を与える分類学の道に進んだ。だが分類学は、巨額の利益を生むような価値観とは無縁だ。公募制の競争的研究費にも恵まれず、年10万円ほどでやりくりする日々が続いていた。

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