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社説

北海道警のヤジ排除 政治的中立性が疑われる

 安倍晋三首相が今週、札幌市で参院選の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした聴衆を北海道警の警察官が洋服や体をつかんで現場から排除する場面があった。

     1人は若い男性で、数十メートル離れた場所から「安倍辞めろ」と連呼したところを警察官数人が取り囲み、後方に引き離した。

     さらに「増税反対」と叫んだ女性が別の私服姿の警察官数人に囲まれて現場から引き離されたという。

     道警は、聴衆とのトラブルが懸念され、移動するよう声をかけたが応じなかったための行為で、通常の警察活動の一環だと説明している。

     警察官はどんな根拠があって、力ずくで排除したのだろうか。

     公職選挙法は「選挙の自由妨害」の一つとして「演説妨害」を挙げる。最高裁は1948年、「聴衆が聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」があった場合、演説へのヤジが選挙妨害に当たると判断している。

     街宣車を使って大音響で妨害するケースなどが典型とされる。散発的にヤジが飛ばされた今回のケースは該当しないだろう。

     それにもかかわらず、一時的とはいえ、聴衆の自由を強引に奪った行為は極めて不適切だ。

     こんなことが繰り返されれば、街頭演説に集まった有権者は声を上げることができなくなる。

     2年前の東京都議選の最終日、東京・秋葉原での安倍首相の応援演説が思い出される。自身を批判する聴衆に対し、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と述べた。

     首相は批判に耳を傾けない、との指摘もある。首相は選挙運動を秋葉原の街頭演説で締めくくるのが恒例になっているが、規制線を張って批判する人を首相から遠ざけることが常態化している。

     仮に今回、北海道警が政権へのそんたくを理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符がつくことになる。

     公共空間における警察の警備の重要性は言うまでもない。政治活動の現場でもそれは同じだ。ただし、警察が強権的に立ち回れば、参加する人たちが萎縮してしまう。警察はそうした事態を避けるよう抑制的な対応を心がけるべきだ。

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