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週刊サラダぼうる・森まゆみ

てくてくまち再見 汐見坂の碑 荷風も愛した藪下道

夏とあって草が絡まり、その姿が分かりにくくなっている汐見坂の碑=森さん提供

 またか。いや、ついに。いとしの藪下道(みち)の景色が壊されそうだ。東京都文京区千駄木付近でも地価が高騰し、地主はここを先途(せんど)と土地を売りたがる。団子坂の上の森鴎外の住居跡「観潮楼(かんちょうろう)」は文京区が記念館にしているが、その隣の大邸宅がマンションになる模様。

 「団子坂上から南して根津権現の裏門に出る岨道(そばみち)に似た小径(こみち)がある。これを藪下の道と云ふ」と鴎外は『細木香以』に書いた。東の崖際に家はなく、はるかに東京湾の潮が望めた。それで観潮楼と名付けたが、2度目の妻しげが輿(こし)入れした時、「潮は見えるか」と鴎外は問うて、「いえ、見えません」と答えたしげを「お前は正直だな」と喜んだという。しかし、火事があるとこの楼に上り、どの辺かを確かめた。それがきっかけで、鴎外の地図「東京方眼図」(明治42年)は成った。

 団子坂は、江戸からの名前で、坂の上に団子屋があったとか、団子のような丸い石があったとか、人も車も団…

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