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荒川洋治・評 『いやな感じ』=高見順・著

 (共和国・2916円)

昭和の激動期を描く壮麗な絵巻

 四〇〇字原稿用紙で九〇〇枚を超える長編『いやな感じ』は一九六三年刊。「最後の文士」高見順(一九〇七-一九六五)の代表作だ。

 川端康成は、寝食を忘れて「一気に読み通し、批評も判断もほとんど忘れて、ただひきこまれた」「異常な傑作」と書いた。人間性と思想の問題が「大きな規模と強い迫力とをもってここに書かれた」と伊藤整。三島由紀夫は「いやな、いやな、いい感じ」の題で「見事な文学作品」と評した。『いやな感じ』は各社文学全集『高見順集』収録後、角川文庫(一九七四)、文春文庫(一九八四)に。仏語訳も手元にある。今回の新版は大きな判型。とてもよみやすい、「いい感じ」の本。

 昭和初めから満州事変、二・二六事件、日中戦争まで約一〇年の激動期。舞台は東京・下町、京城、北海道、…

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