メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

加藤陽子・評 『思いつきで世界は進む』=橋本治・著

 (ちくま新書・842円)

 今年1月に長逝した橋本治の遺著のひとつをここに紹介したい。筑摩書房のPR誌『ちくま』に2014年7月号から連載された50本分の時評集だ。

 新書の見開き4頁(ページ)でひとつのテーマを論じた本書を、200冊超といわれる橋本の作品群からあえて推すのはどうよ、と冥界の著者から叱られそうだが、同時代的に橋本治体験をしてこなかった人々にとって、新書から入るのは悪くないはず。橋本の名を一躍有名にした1968年の東大駒場祭ポスター、「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」の文字列に、いなせな博徒の半身を配した絵柄を、世の中、すぐに想起できる人だけではないからだ。

 本書が対象とする時期は、安倍晋三内閣のもとで集団的自衛権の解釈改憲がなされた2015年、また、本来であれば政権が倒れておかしくなかった森友・加計学園問題が起きた2017年を含む。ならば、いかなる批評が展開されたのかと勇んで読めば、そこは橋本、床屋談義や居酒屋政談とは無縁の文章が綴(つづ)られている。自ら「遠い地平を俯瞰(ふかん)的に眺めて、想像力だけを地に下ろし」低い姿勢で時代に対したと述べてい…

この記事は有料記事です。

残り986文字(全文1494文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「限界だった」たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか

  2. 伊藤健太郎容疑者、目撃者に説得され事故現場に戻る 所属事務所は「おわび」

  3. ORICON NEWS フジ『アウト×デラックス』今夜放送分は「これから収録」 伊藤健太郎容疑者の出演回差替えで緊急対応

  4. 俳優の伊藤健太郎容疑者逮捕 ひき逃げの疑い、女性重傷「離れたのは間違いない」

  5. 特集ワイド 学術会議問題◀◀井筒監督 若者よ、立ち上がれ キナ臭いよな 権力むき出しの暴力

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです