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社説

吉本興業とジャニーズ ともに岐路に立っている

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 圧倒的な影響力で業界を支配してきた芸能事務所のあり方に、厳しい目が注がれている。

 お笑い界の雄である吉本興業の所属芸人が反社会的勢力から金銭を受け取っていた問題のなかで、会社側と芸人の間のいびつな関係が浮かび上がった。

 会社を通さない仕事で反社会的勢力から金銭を受け取っていた宮迫博之さんと田村亮さんが独自に記者会見し、会社側とのやりとりを明かした。岡本昭彦社長に謝罪会見の開催を求めたところ、「会見したら、全員連帯責任でクビにする」と言われたと語った。

 それに対し、きのう、問題発覚後初めて会見した岡本社長は「身内感覚で言ったが伝わらなかった」と釈明した。会見には組織防衛の思惑が透けて見え、芸人やファンの信頼回復に至ったとは思えない。芸人との旧態依然とした関係をどう変えていくか、具体的に示すべきだ。

 ジャニーズ事務所を巡っては、「SMAP」の元メンバー3人を出演させないよう、民放テレビ局などに圧力をかけた疑いが表面化した。

 独占禁止法違反の恐れがあるとして公正取引委員会から注意を受けた。移籍トラブルで芸能事務所が注意を受けるのは初めてとみられる。

 男性アイドルの分野を開拓したジャニーズ事務所は、多数の人気タレントを抱え、市場を独占してきた。

 公取委の調査で違反行為は認められなかったというが、注意に至ったのは、これまで通りのやり方では許されないということだろう。

 ジャニーズも「圧力はなかった」と説明しているが、テレビ局側にそんたくはなかったのだろうか。

 芸能界には長く、契約解消後に一定期間の芸能活動を禁止したり、移籍や独立の行き過ぎた制限をしたりするような不公正な慣行がまかり通ってきた。

 公取委の動きは、立場の弱い芸能人の権利保護を念頭に、自由な競争を妨げる業界慣行へ警告するのが狙いだろう。力によるゆがんだ支配は、今の時代には通じないということを、あらためて認識すべきだ。

 エンターテインメントは視聴者や観客のためのものだ。その原点に立って業界全体で改善に動かなければ、健全な発展は望めまい。

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