SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『東京凸凹散歩』『ホホホ座の反省文』ほか

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今週の新刊

◆『東京凸凹散歩 --荷風にならって』大竹昭子・著(亜紀書房/税別1800円)

 東京は坂の町である。しかも丘と谷が複雑に入り組んで、凸凹しているのが特徴だ。それは歩いてみないと分からない。大竹昭子『東京凸凹散歩』は、足裏で感じた東京散歩の本。

 凸凹歩きの先達として選んだのは永井荷風だ。東京散策の名作『日和下駄』で書かれた四谷に、著者も住んだ。四谷は大久保通りを尾根にした凸凹町。「曲がりくねった細道が錯綜しているエリア」を歩けば、「地形の複雑なドラマチックな町」が体感できる。

 荷風は坂を「平地に生じた波瀾である」と書いた。著者は一歩踏み込んで、毎回テーマを設け、東京を探検する。崖を探して飛鳥山、道灌山、麻布十番へ。池の謎をめぐって四谷荒木町。小石川伝通院、沢蔵司(たくぞうす)稲荷は「ふいに現れる寺」というふうに。

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