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平松 洋子・評『台湾レトロ氷菓店』ハリー・チェン/著

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波乱の時代を生き抜いて手間ひまを惜しまず味を守る

◆『台湾レトロ氷菓店(ひょうかてん) あの頃の甘味と人びとをめぐる旅』ハリー・チェン/著、中村加代子/訳(グラフィック社/税別1700円)

 日本での人気が止まりそうにないタピオカティーは、そもそも台湾独自のかき氷や飲み物文化の厚みのなかから生まれたもの。とりわけ、世界中探しても似た味がない台湾のかき氷は、北部は亜熱帯、南部は熱帯の国土に降り注ぐ慈雨に似て、五臓六腑(ごぞうろっぷ)に染みわたる。

 かき氷、アイスキャンディーやアイスクリーム、飲み物、軽食などを出す店を、台湾では氷菓店と呼ぶ。台北に生まれ育った著者は自国の古き佳(よ)き氷菓店に着目、旅を始めた。2008年から集中的に二年間、以来今日まで約十年、鉄道やオートバイで台湾各地をめぐり、選(え)り抜き二十二軒の魅力を写真と文章で紹介する。

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