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社説

ジョンソン英首相就任へ 「合意なき離脱」の回避を

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 英国の与党・保守党の新しい党首にジョンソン前外相が選ばれた。5月に党首辞任を表明したメイ首相の後継首相にきょう就任する。

     欧州連合(EU)からの離脱期限である10月末が迫る中、党首選は離脱問題への対応が焦点になった。

     ジョンソン氏は「何があろうとも10月末までにEU離脱を成し遂げる」との公約を掲げ、決選投票で穏健離脱派のハント外相に圧勝した。

     懸念されるのは、英内外に混乱を引き起こす「合意なき離脱」も辞さない姿勢を示していることだ。

     首相交代は、分裂する議会をメイ氏がまとめられず、離脱の約束を果たせなかったためだ。

     長引く「決められない政治」に対する党内の不満がジョンソン氏の勝利につながったと言えるだろう。

     名門オックスフォード大卒のエリートだが、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで党員の人気が高い。トランプ米大統領は親しみを込め「友人」と呼ぶ。

     党首選の決選投票で投票資格を持つ一般党員は約16万人で、英国の有権者の0・3%にすぎない。首相となる以上、党員だけでなく国民全体の利益を考える必要がある。

     各種世論調査によると、仮に2度目の国民投票が実施されれば、国民の選択は「残留」が「離脱」をやや上回る結果になるという。

     無秩序な離脱は英国とEUのつながりを断ち、外交面などで米英と大陸欧州の溝を深めかねない。

     英経済にも打撃となる。英予算責任局は「合意なき離脱」なら景気後退局面に入り、国内総生産(GDP)が縮小するとの見通しを示す。

     影響は経済にとどまらない。

     国民投票時、英国を構成する4地域のうち、スコットランドや北アイルランドでは残留派が多数だった。

     イングランドを地盤とする保守党のジョンソン氏が「合意なき離脱」を強行すれば、「連合王国」英国の一体性を揺るがす恐れもある。

     議会では、強硬離脱阻止のため、内閣不信任案の提出や、国民投票の再実施を目指す動きが出ている。

     EUは、ジョンソン氏の望む離脱協定修正は拒んでいるが、総選挙や国民投票再実施の場合には、期限延長に応じる可能性を示唆している。

     英国とEUは今こそ、混乱に終止符を打つ知恵を出し合うときだ。

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