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クトゥーゾフの窓から

2018年春から2度目のモスクワ勤務に臨んでいます。目抜き通りの一つ「クトゥーゾフ通り」に面する支局の窓を開けると、何が見えてくるのか。周辺地域ものぞき込みながら考えていきます。

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クトゥーゾフの窓から

ウクライナ危機の現場を歩いた(9) 砲撃が続く最前線の村 東部マイオルスク村

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かつて保育園だったウクライナ軍が駐屯する施設。今は、防備が固められていた=ウクライナ東部ドネツク州マイオルスク村で2019年7月12日、大前仁撮影
かつて保育園だったウクライナ軍が駐屯する施設。今は、防備が固められていた=ウクライナ東部ドネツク州マイオルスク村で2019年7月12日、大前仁撮影

 ウクライナ東部では2014年に軍とロシアの支援を受けた武装勢力の戦闘が始まり、5年が過ぎても収まる気配を見せない。7月中旬にウクライナ軍の許可を得て、最前線のドネツク州マイオルスク村を訪れ、銃撃や砲撃が続く中で暮らす人々を取材した。

 ドネツク州の主要都市の一つクラマトルスクから車で1時間あまり。マイオルスク村の約1キロ先は親露派の「ドネツク人民共和国」(DNR)が実効支配している。快晴の日中、その方角から何度となく乾いた銃声が響き渡った。それでも住民たちは慣れきった様子で、爆竹が鳴っている程度の反応しか示さない。

 「良くないことなのだが、銃声を恐れる感覚が鈍った。みんなリラックスしている」。住民の一人、スベトラーナ・サモロドスカヤさん(65)はこう話す。ウクライナでは7月21日に議会選が実施されたのだが、投票日に先立ち、村を訪れた男性の候補者が住民と話していると銃弾が彼の耳元をかすめたという。流れ弾だったのか、意図した狙撃だったのかは定かではないが、村が直面している危険を映し出した格好だ。

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