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社説

福島第2の廃炉決定 作業人材の確保欠かせぬ

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 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は24日、福島第2原発の廃炉を近く正式決定すると、福島県知事に伝えた。東電は昨年6月、「復興の足かせになっている」と認めて廃炉方針を表明したが、工程などを明らかにしていなかった。

     この日示した「廃炉の概要」によると、使用済み核燃料搬出など準備段階から原子炉や建屋の解体まで、1基当たり30年程度の廃炉期間を見込んでいる。4基全ての廃炉には40年を超える期間が必要とした。

     2011年の福島第1原発事故から8年余。福島復興のために不可欠な要素である県内原発全廃がようやく実現に向かうことになったが、先行きには課題も多い。

     最大の不安は、炉心溶融を起こした第1原発の廃炉作業との並行で十分な人材が確保できるかだ。第1原発では現在、1日当たり約4000人が廃炉に従事するが、炉内の状況もいまだに不明で、作業は難航を極めている。

     東電は人員配置の効率化などで第2原発の廃炉も進めるというが、放射性物質の漏えい防止などの徹底に手厚い人材手当てが求められる。

     原発関連の従事者数は東日本大震災前の10年から2割以上も減った一方、東電以外でも廃炉を予定する原発は10基以上にのぼる。大震災後の安全対策費の膨張で、老朽原発の運転延長をあきらめる動きが広がったためだが、廃炉ラッシュで深刻な人材不足が懸念されている。

     福島の原発事故からの復興が最優先される状況を考えれば、他の大手電力会社も協力して、第1、第2原発の円滑な廃炉体制づくりに人材や技術を集めることが必要だ。

     また、廃炉で第2原発から取り出す使用済み核燃料や、放射性物質を含む廃棄物の取り扱いも難題だ。廃炉完了までの中長期を見据えれば、東電だけでは対応しきれず、政府は国としての処分方針の策定など制度整備を急ぐ必要がある。

     東電は、第2原発の廃炉決定を一区切りにして、今後は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた地元対策にも注力する構えだ。

     だが、多額の公的支援を受けているのは「福島に対する責任をまっとうする」ためであることを忘れてはならない。

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