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社説

重度身障者迎える国会 「壁」なくす万全の対応を

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 障害の有無にかかわらず、子どもから高齢者まで等しく暮らしやすい社会を構築する「ユニバーサル化」は今や世界標準の価値観だ。

 重度の身体障害者2人が当選した今回の参院選は、国会にユニバーサル化を迫る契機となっている。

 比例代表でれいわ新選組から当選した舩後靖彦氏と木村英子氏はともに大型の車いすと介助者なしでは活動できない。本会議場の改修など設備面のバリアフリー対応のほかにも検討すべき課題は多い。

 舩後氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため会話が難しく、目と口のわずかな動きで文字盤やパソコンを使って意思を伝える。質疑も、採決での賛否表明も、介助者を通して行うことになるだろう。

 現行の参院規則では、議員がつえを持ち込むだけでも議長への届け出が必要とされる。車いすで28年間、国会議員を務めた八代英太氏の初当選後、国会内にスロープなどが整備されたものの、車いすの使用はつえと同様の特例扱いのままだ。

 今後の取り組みは議院運営委員会で与野党が話し合うことになる。特例を広げるのもいいが、規則の改正も検討すべきではないか。

 民主主義は国民の代表が国会で議論することによって成り立つ。障害があるから十分に議論できないということがあってはならない。国会の設備や制度に問題があれば、それを改善し、最大限の意見表明を保障する努力が与野党に求められる。

 党派の議員数に応じて割り当てられる質問時間についても、発言や意思表示に時間がかかることを前提とした柔軟な運用がなされるべきだ。

 2016年にはALS患者の参考人出席を衆院が「質疑に時間がかかる」との理由で拒否して問題になった。参院は出席を認め、介助者3人が付き添って質疑が行われたものの、重い教訓を国会に残した。

 今回の参院選では車いすの元パラリンピック選手も当選した。候補者の中には聴覚障害者もいた。

 厚生労働省の推計で体や心に障害を抱える人は900万人を超え、全人口の7・4%を占める。今後は視覚や聴覚障害のある国会議員も想定して備えておく必要がある。

 制度や意識の「壁」を取り払うユニバーサル化につなげたい。

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