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社説

サンマの漁獲枠導入 資源枯渇を防ぐ第一歩に

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 北太平洋でのサンマ漁に来年から初めて漁獲枠が導入される。日本や中国、台湾など8カ国・地域でつくる北太平洋漁業委員会(NPFC)が先の会合で合意した。乱獲で資源枯渇が懸念されるサンマの持続可能な利用への第一歩と期待したい。

     漁獲枠は近年のサンマ漁低迷に危機感を強めた日本が2017年から提案してきた。NPFCの科学委員会が「17年の資源量は1980年以降最低」と分析したため、昨年まで反対していた中国も受け入れた。

     ただ、実効性を持たせるには課題も多い。合意を優先した結果、漁獲枠は年約55万トンと、NPFC加盟国・地域の18年漁獲量(約44万トン)を2割も上回る緩い水準となった。

     日本が当初提案した前年実績並みの漁獲枠を中国が受け入れなかったためだ。専門家から資源回復効果を不安視する声が出ている。

     漁獲枠の内訳は公海が約33万トン、排他的経済水域(EEZ)が約22万トンとなった。しかし、肝心の国・地域別の割当量の設定は「調整が難しい」として先送りされた。

     当面は各国・地域がそれぞれの漁獲量をNPFCに毎週報告することで漁獲枠の順守を目指すという。だが、虚偽報告をしても罰則はなく、漁獲枠を超えた場合の対応も決まっていない。

     規制を「有名無実化」させないためには、各国・地域の漁獲状況をきちんとチェックする監視体制や、枠を超えた際の操業停止など対応策の整備が急務だ。また、確実な資源回復に向けて、全体の漁獲枠の縮小も検討する必要がある。

     「秋の味覚」として親しまれる日本のサンマの漁獲量はかつて年20万~30万トンで安定していたが、ここ数年は10万トン前後に落ち込んでいる。

     サンマは太平洋の公海を北上し、日本近海のEEZに回遊してくる。近年は中国や台湾の漁船が公海上で大量に捕獲してしまうため、「日本近海にサンマが入ってこない」との指摘が強まっていた。

     このため、日本のサンマ漁業者は漁獲枠導入を歓迎している。ただ、規制が有効に機能するかは、今後の中国など各国との調整次第だ。安価で栄養も豊富なサンマを今後も食べ続けられるように、日本は各国との協調に一層努めるべきだ。

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