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生まれてから一度もウソをついたことがないという人は、果たしているのだろうか。特に子どもの頃は、身を守るために軽くウソを言ってしまいがちだ。
「あれ、ここにあったお菓子、あなた食べた?」「ううん、食べてない」。「テスト、返ってきた?」「まだだよ」。「なんで遅刻したの!」「ええっと、道ばたに困っているおばあさんがいて……」。こんなウソをつく度に私たちは大人に叱られ、ときには正直な姿勢をほめられたりしながら「ウソはいけない、正直はいいこと」と学んでいく。
だが、大人になってからもウソがまったくなくなるわけでもないだろう。子どもに「サンタクロースって本当にいるの?」と聞かれたとき、事実だけを答える大人はどれほどいるだろうか。職を探して何十社も面接を受け、「あなたはなぜこの会社で働きたいのですか」と聞かれて「はい、それは……」と答えるその話は本当に本心だろうか。人は知らず知らずのうちに「これぐらいは方便のうち」「ここは絶対に正直でないと」と、あいまい…
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