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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/348 第四話 黒武御神火御殿=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

 万能になったような瞬間が忘れられずに、賭場から賭場を巡っていた。

「それは確かに傲(おご)りかもしれないけれど、わたしは罪だとは思わない」

 罰(ばち)当たりな考え方だが、命を以(もっ)て償わねばならぬような罪ではない。

 富次郎たちの暮らしに深く馴染(なじ)んだ八百万(やおよろず)の神々のなかには、賭場に祀(まつ)られる神様だっておられるのだ。その神は卑しいか。そんなことはない。その神を尊び、ツキを回してくださることを有り難がり、天下をとったようだと思い上がる博打(ばくち)うちの性(さが)は、愚かではあるが可愛らしくもある。

「甚さんが罪人になるのは、この世をつくった唯一の神様がいちばん偉くって、人はどう頑張ってもその神様には頭が上がらないんだっていうヤソ教の教えに照らしたときだけじゃないのかな」

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