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社説

地方創生の新基本方針 集中是正の決意が見えぬ

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 「東京集中」を是正するという大きな目標が後退してはいないか。

     政府は、地方の人口減少対策である「地方創生」について、新たな基本方針をまとめた。

     安倍内閣は2015年度から5カ年計画で、地方創生に取り組んでいる。自治体による事業を支援するため、今年度までに総額8000億円以上の交付金を投じてきた。

     だが、目に見える成果を上げるには至っていない。

     その象徴といえるのが「20年までに東京圏と地方の転出入を均衡させる」という目標だ。昨年、東京都と近隣3県(東京圏)への転入者は転出者を約14万人上回った。むしろ東京集中に拍車がかかっており、実現に遠い状況である。

     政府は来年度以降も5年間、地方創生を延長する。新基本方針はその施策の指針となるものだ。

     ところが、「転出入均衡」については実現に取り組むとしたものの、新たな目標年次も記していない。新方針では、大都市の住民が移住せず週末などに地方と交流する「関係人口」の重視も打ち出した。ひとつの考え方だが、「集中是正」が進まないため持ち出した感が否めない。

     まず、従来の施策の効果をもっと点検すべきだ。たとえば観光資源の掘り起こしはインバウンドを拡大したが、人口維持にどこまで寄与しているのか。

     政府の分析では、東京圏への人口流入は名古屋、仙台など地方拠点都市からの若い女性の移動が主力になっている。東京は子育ての環境が厳しいため、女性が東京に集まることで全体の出生率が下がる構造だ。

     地方からは、女性の正規雇用の受け皿不足などを指摘する声が強い。戦略を練り直すべきではないか。

     加えて忘れてならないのは、人口減少を前提とし、それに自治体が対応していくための対策である。

     水道事業、小学校教育など市町村の基礎的な役割を自治体単独で担うことが困難になりつつある。空き家、空き地が急増する中で、まちをコンパクトに再設計するための仕組みづくりは待ったなしだ。

     地方の人口減少のペースをできるだけ抑える施策は必要だ。それとともに、減少自体は避けられない現実も直視しなければならない。

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