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仏司法と闘う農園主(その1) 「友愛」胸に難民支援

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移民の男性と談笑するセドリック・エローさん(右)=フランス南東部ブレイユシュルロヤで8日、賀有勇撮影
移民の男性と談笑するセドリック・エローさん(右)=フランス南東部ブレイユシュルロヤで8日、賀有勇撮影

 地中海近くに至る欧州アルプスの西端に位置する人口2000人の村、仏南東部ブレイユシュルロヤ。イタリアとの国境付近にオリーブ農園を持つ、農家のセドリック・エローさん(40)は、ほんの数年前まで自分が勾留されたり、フランスの根本理念をかけて法廷闘争をしたりするとは想像もしていなかった。

 転機を迎えたのは、地中海などを渡って欧州に殺到した中東やアフリカからの移民らがフランスにも多くたどり着くようになった2016年。窮状を見かね、国境を陸路で越えてくる移民や難民を自宅に迎え、食事や寝床を提供するとともに、難民申請手続きの手助けをするようになった。

 「プライバシーを味わえるのは逮捕されて警察署で寝るときだけ」。冗談めかして語るエローさんの自宅には、移民らが絶え間なく身を寄せる。その数はここ数年で延べ約2500人。17年には不法移民をほう助したとして逮捕、起訴され、執行猶予の付いた罰金3000ユーロ(約36万円)の有罪判決を言い渡された。罪は一貫して否認したが、「あなたは活動家として行動している」。2審の裁判官は1審よりも重い、執行猶予付きの…

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