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社説

大都市の墓地不足 将来見据えどう対応する

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 高齢化が進み、亡くなる人が増える「多死社会」を迎えている。これに伴い、東京や周辺の大都市部で墓地が足りなくなっている。高度成長期以降、先祖代々のお墓があった地方から移り住み、新たに墓地を必要とする人が多いためだ。

 東京都では2008年当時、1年間の墓地の需要は2万基分程度だったが、28年には約3万基分に増えると推計されている。

 都は都立霊園の整備を進めているが、都内では用地確保が困難で、供給は追いつかない。都民の応募倍率は高く、18年度の場合、墓石のある一般的な墓地などの募集1220件に対して約5・5倍の数の応募があった。使用料が数百万円以上かかる所があるにもかかわらずである。

 さいたま市でも年間2000基分から2500基分の墓地が新たに必要と見込まれており、比較的安価な市営墓地の増設を望む市民は多い。しかし、財政事情などから、墓地を提供し続けることは難しい。横浜市でも同じ状況だ。

 このため、各地で整備が進んでいるのが、多くの人の遺骨を同じ場所に埋葬する「合葬墓(がっそうぼ)」だ。利用者の抵抗感がもっと少なくなれば、需要は一層高まるとみられるが、行政側も住民の理解が深まるよう努めるべきだろう。

 宗教法人などが建設する納骨堂も増えている。寺の敷地内にある旧来型に加え、ビルに多数の遺骨を収容するものがある。ロッカーのようなタイプや、お参り時にICカードをかざすと骨つぼが自動的に運ばれてくる方式もあり、価格は比較的安い。都心にも多く、交通の便がいい。

 しかし、建設をめぐり、「迷惑施設」として近隣住民が反対運動を起こしたり、宗教法人側との裁判になったりするトラブルが絶えない。ビルが老朽化した後の建て替えの問題も残る。公共性の高い施設であり、自治体は建設や運営に関するガイドラインなどを作る必要がある。

 日本の年間死亡者数は03年に100万人を超え、18年は推計で約136万9000人に上った。40年には約167万人に達するとみられる。

 行政は墓に対する住民意識の変化を考慮しつつ、墓地や納骨堂のあり方について将来を見据えて考えることが求められる。

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