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仏司法と闘う農園主(その2止) 移民の「ビッグボス」

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壁一面に張られた移民や難民の子供らが残したメッセージを前に取材に応じるセドリック・エローさん=ブレイユシュルロヤで8日
壁一面に張られた移民や難民の子供らが残したメッセージを前に取材に応じるセドリック・エローさん=ブレイユシュルロヤで8日

 

 ◆寝食共にし2500人支援

「分け隔てせぬ」信念

 7月9日夕、地中海を見下ろすように高級住宅が建ち並ぶ仏南東部マントンにある国境検問所から、男性2人が警察官に付き添われて出てきた。私はフランス側から偶然、その様子を見ていた。

 イタリア側からの入国を試み、一時身柄を拘束されていた移民だった。2人は数十メートル離れたイタリア側の検問所では止められることはなく、落胆した表情でイタリア側に再入国した。警察官は、2人の姿が見えなくなるまでにらみをきかせていた。

 欧州を目指す移民や難民は、最初の到着国が申請手続きに責任を負うことを定めた欧州連合(EU)の「ダブリン規則」に基づき、到着国で指紋を採取され、迫害などで国を追われたと証明されれば「難民」と認定される。2014年ごろから急増した移民らは、ギリシャから西欧を目指す通称「バルカンルート」を通っていたが、16年3月にバルカンルートが閉鎖されると、イタリアが主要到着国となった。

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