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村上陽一郎・評 『安楽死を遂げた日本人』=宮下洋一・著

 (小学館・1728円)

「自死行」迫真のルポルタージュ

 読むのが辛(つら)い本である。著者には、安楽死を巡る最近の世界の事情を取材した『安楽死を遂げるまで』という好著があるが、本書は、そうした事情のなかで、一人の日本人女性に親しく寄り添いながら、彼女がスイスで安楽死を遂げるまでの経緯を、丹念なルポルタージュとして綴(つづ)ったものである。取材に当たって、NHKとの協働関係もあったようで、NHK・TVでの番組を視聴された方も多いかもしれないが、映像とは違った重みが本書にはある。

 もともと、一部の先進国では最近、伝統的な医療倫理からは外れて、医師が、クライアントの自死の手助けをする(PADと略される)、あるいは、実際にクライアントの死に直接関わる(安楽死)、という行為が、厳しい条件付きではあるが、法的に解禁されてきた、という事情がある。著者の前著は、まさしくその実情を具(つぶさ)に追ったものであった。

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