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自殺問題の新組織 若者対策で自治体支援を

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 国内の自殺者は減少傾向にあるが、10代から30代では自殺が死因のトップを占める事態が続く。

 2019年版自殺対策白書によると、昨年の自殺者数は2万840人だった。10年から9年連続で前年よりも減った。しかし、15歳から34歳の死因のトップが自殺になっているのは、主要7カ国(G7)の中で日本だけだ。白書は若い世代の自殺について「依然として深刻な状況」と警鐘を鳴らす。

 自殺の原因・動機は、10代は学業不振や進路の悩みなど学校問題が多い。一方で20、30代は健康問題の割合が高い。ただ、自殺はこれまでの研究で原因が一つではなく、要因が複雑に絡み合っていることが分かっている。

 それだけに若者対策をはじめ、自殺問題への取り組みに苦労する自治体は多い。自治体側には「効果的な対策はどういうものなのか」といった、実践的な取り組みなどを相談できる組織を望む声がある。

 その点で自治体の相談窓口としての役割が期待されるのが新設されることになった自殺対策の新組織だ。

 新組織は現在、国立精神・神経医療研究センター(東京都)の中にある自殺総合対策推進センターを発展的に改組するものだ。来年度にも運用が始まる見通しだ。

 推進センターは、16年に改正された自殺対策基本法に基づいて設置された。市町村ごとに自殺の実態を調査・分析し、改正法で自治体に義務付けられた自殺対策計画の策定をサポートしている。

 ただ、自殺の要因になりやすい福祉や教育、労働などの問題への対処が十分ではなかったとの反省から、新組織ではこうした問題に対応できる専門家を増やすことにした。

 よりきめ細かな対策の立案には、自殺防止に取り組む市民団体の意見も参考になる。

 新組織は各自治体の実態調査だけでなく、施策を直接支援する役割を担う。

 自治体によって職員や予算規模が違い、それぞれが抱える問題も同一ではない。自殺対策計画の策定や実行に自治体間で差が生まれている。

 新組織は各自治体の実態に応じ、取るべき対策について的確な助言をする必要がある。

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