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社説

緊張続くホルムズ海峡 英新政権の自制がカギだ

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 米国とイランの敵対で中東のペルシャ湾の緊張が高まる中、英国とイランの対立が表面化している。

     イランの軍事組織・革命防衛隊は今月中旬、ホルムズ海峡で英船籍のタンカーを拿捕(だほ)した。英国は「国家による海賊行為」だと非難している。その半月前、イランのタンカーが英領ジブラルタル沖で当局に拿捕されたことへの報復とみられている。

     今回の事態はイランを巡る危機の構図を複雑にしている。

     英国は、米国が約1年前にイラン核合意から離脱した後も、仏独とともに合意の維持に努めてきた。いわばイランを支える側の一員だった。イラン側も英国を含む欧州3国を頼りにし、原油輸出を正常化させ、米国の制裁を克服するための救済策を求めていた。

     ところが英国は6月、日本のタンカーなどが攻撃された際、イランの犯行だとする米国の主張にすぐさま同調した。その後のイランタンカー拿捕である。イランが英国に対し、米国にすり寄っていると疑心を抱いたとしても不思議はない。

     英国が仏独から距離を置き、欧州3国の連携が崩れれば、核合意そのものが揺らぐ。イランを巡り米英と仏独が対立する構図になるのは危険だ。2003年のイラク戦争は米国に英国が追随して始まった。

     英国は先週、イランを批判したが、制裁には踏み込まなかった。ホルムズ海峡の安全航行に関しては、欧州諸国による海上保護部隊の結成を提案した。米国が主唱する有志連合構想とは一線を画したもので、一応の自制を利かせたといえる。

     ただ、英首相はジョンソン氏に代わった。トランプ米大統領と親しく、攻撃的な発言などから「英国のトランプ」と呼ばれている。欧州連合(EU)から強硬に離脱しようとしており、離脱後は米国と緊密な関係を築くともみられている。

     ジョンソン氏は就任前、イランとの問題について外交的解決を説いていた。新政権の方針がイランとの微妙な関係を左右する。今後も欧州連携を重視し、自制に努めるべきだ。

     米国は圧力を弱めず、イランは挑発を続け、落としどころが見えない。それだけに対立の拡大が不測の事態につながる恐れがある。十分に警戒せねばならない。

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