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終わらない氷河期~今を生き抜く

生活保護のシングル女性、結婚もあきらめ 「何をしたいという希望もない」

 バブル経済崩壊後、企業が大幅に採用を手控えた「就職氷河期」(おおむね1993~2004年)。当時、多くの若者が社会人への玄関口で足止めをくらい、将来への希望を奪われた。彼らは現在、30代半ばから40代後半。今も多くの人が、非正規の仕事を繰り返したり、ひきこもりを経験したりするなどし、苦悩を抱えながら生き抜いている。第1回は、非正規雇用を繰り返し、今は仙台市内で生活保護を受けながら、仕事探しを続けるシングル女性の人生をたどる。

 令和が幕を開けたばかりの5月4日夕方。10連休のためカップルや家族連れでにぎわう仙台の街を、山川美香さん(40)=仮名=は空腹を抱え、ふらふらと歩いていた。所持金は1200円。この2週間はフードバンクでもらったカップラーメンで食いつないできた。交通費節約のため1時間以上かけ、たどり着いたのは、生活困窮者向けに食事を提供する相談場所だった。温かい鶏肉のクリーム煮を口に入れると、久しぶりに人のぬくもりを感じた。「これで何とか生き延びられる」。ほっとした。

 山川さんは4月下旬、派遣会社から百貨店での衣料品販売の仕事を紹介され、生まれ育った県外の町から仙台市内の6畳一間と台所だけのアパートに引っ越した。「非正規雇用から抜け出すために、今度こそキャリアアップしたい」と考えたからだ。折り合いの悪い家族からも離れたかった。ところが、転居した直後に「求人がなくなった」と告げられ、やむを得ず始めた短期のアルバイトも10連休はシフトに入れなかった。蓄えがない中で…

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残り3048文字(全文3691文字)

牧野宏美

2001年入社。広島支局、大阪社会部、東京社会部などを経て19年5月から統合デジタル取材センター。広島では平和報道、社会部では経済事件や裁判などを担当した。障害者や貧困の問題にも関心がある。温泉とミニシアター系の映画が好き。

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