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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/352 第四話 黒武御神火御殿=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

 つくづくと検分し、裏返して、左右の袖を覗(のぞ)き込み、縫い目を検(あらた)める。それから当て布を手に取った。

 あの、ひらがなの文字列。軽く目を瞠(みは)ったが、骨董(こっとう)屋の店主は表情を変えなかった。

「その文字に、よくないものが封じ込められているんです」

「ははあ」

「もともと悪(あ)しきものではない--いや、いけないものなんですが、意味の違う悪いものになってしまっていると申しますか」

 我ながら情けないほどこんがらがる。こうしてしげしげと検めると、印半天に焼け焦げの一つも残されていないことが、あらためて禍々(まがまが)しく思えてくる。

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